近畿化学協会

近化電池セミナー

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近化電池セミナー「資源と耐久性からみたリチウムイオン電池の課題」

PDF版プログラム

主催 近畿化学協会
協賛  大阪科学技術センター、大阪工研協会、軽金属学会
応用物理学会関西支部、化学工学会関西支部
電気化学会関西支部、電気化学会電池技術委員会
日本エネルギー学会関西支部、日本機械学会関西支部

 欧州を緒として急速に進められている自動車のEV化の潮流は、我が国の自動車産業の変革をもたらし、動力源として最も有力な候補となる蓄電池の開発を主役に押し立てるだけでなく、資源的な意味でもリチウムを始めとする材料の有り方について再考しなければならない状況にあります。現在、リチウムを用いない革新形電池の開発も盛んに進められていますが、現状のリチウムイオン電池が引き続き利用され、大出力化に対応するための資源確保においては、使用元素のリサイクル技術が欠かせません。本セミナーではリチウムを中心とする電池に使用する各種元素に関わるリサイクル技術と耐久性向上を切り口としてプログラムを組みました。残念ながらCOVID-19の感染状況は極めて波動的であり、今回もオンライン配信による講演となりましたが、皆様の積極的な御参加を是非ともお願い申し上げます。

日時 2022年 1月12日(水)10:00 ~ 17:00
開催手段 WEB配信(Zoomによるオンライン配信)
プログラム

【講演①】リチウム市場環境と当社の動脈・静脈事業(10:10-11:00)
     豊田通商(株) 金属本部 執行幹部/本部COO 片 山 昌 治 氏
 『カーボンニュートラル』の言葉が様々な場面で用いられ、再生エネルギーや電動車が脚光を浴びている。『カーボンニュートラル』のカギを握るリチウムの市場環境を概説し、当社のアルゼンチンでのリチウム事業、福島県の水酸化リチウム事業、資源循環を担う静脈事業を通じたマテリアル循環社会実現への取り組みを紹介する。

【講演②】リチウムイオン電池のリサイクル技術 (11:10~12:00)
     早稲田大学理工学術院/東京大学大学院工学系研究科 教授 所   千 晴 氏
 資源循環システムの確立が急務であるリチウムイオン電池のリサイクル技術について、現状と課題をレビューする。また、講演者らの専門である物理的分離技術について、その前処理としての焙焼条件との関係や、電気パルスを用いた新規分離技術開発の動向を紹介する。
 
【講演③】非鉄金属の資源循環とリサイクル
     ~リチウムなどの資源の状況と問題点・ボトルネック~
(13:00~13:50)
     東京大学生産技術研究所 所長
      同 持続型エネルギー・材料統合研究センター 教授 岡 部   徹 氏

 本講演では、リチウムをはじめとするレアメタルの現状と課題について概説し、レアメタルに対する誤解や偏見、さらには、日本では知ることが出来ない“裏の問題”についても紹介する。日本に蓄積されたレアメタルをリサイクルすれば、資源問題は解決するといった都市鉱山神話ならぬ誤解が蔓延しているが、レアメタル供給、とくにレアメタル資源のボトルネックやリサイクルの問題点について解説する。

【講演④】充電曲線解析技術(CCA)を用いたリチウムイオン電池の劣化評価 (14:00~14:50)
     (株)東芝 研究開発センター ナノ材料フロンティア研究所
              機能材料ラボラトリー 研究主幹 森 田 朋 和氏

 カーボンニュートラル達成に向けて、EVおよび再生エネ発電と組み合わせた定置用蓄電池の普及、さらに蓄電池リユース・リサイクルの検討が進められている。蓄電池を安全かつ最大限に活用するためには運用中の劣化診断、安全性評価、残存寿命評価が重要となる。講演では、各種電池劣化評価技術の特長と、弊社で開発した充電曲線解析技術(CCA)による劣化評価事例、リチウムイオン電池の劣化挙動解析について紹介する。

【講演⑤】電力系統連系用途のリチウムイオン電池の劣化と評価 (15:00~15:50)
     (一財)電力中央研究所 エネルギートランスフォーメーション研究本部
                  研究統括室 上席研究員 三 田 裕 一 氏

 脱炭素社会に向けて太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの更なる導入が必要になります。それに伴い、電力系統の安定化への貢献など、エネルギーの安定供給のための蓄電池の活用への期待があります。近年は世界的規模で系統用蓄電池の導入が始まっており、その中でもリチウムイオン電池の需要が高まっています。本講演では電力系統連系用途のリチウムイオン電池の劣化と評価について概説します。

【講演⑥】リチウムイオン二次電池の劣化機構 (16:00~16:50)
     長岡技術科学大学大学院工学研究科 教授 梅 田   実 氏
 私たちの生活に自然エネルギーを最大限取り込むために、二次電池を電力貯蔵に利用することは極めて重要な課題である。リチウムイオン二次電池は、高密度電力貯蔵源として大きな期待が寄せられる一方で、経年劣化や繰り返し使用による劣化のみならず、重大な事故も報告されている。この背景には、化学反応としての電極反応に起因する副反応の存在がある。本講演では、高温下と低温下で顕在化するリチウムイオン二次電池の劣化を、現象論的に取り扱った後に速度論的に解析する。

定 員 80名(定員に達し次第締切)
参加費 主催団体会員 18,000円、協賛団体会員 25,000円、会員外 30,000円
大学・官公庁職員 7,000円、学生 5,000円 (講演要旨<電子ファイル>・消費税含む)
申込方法 Web参加申込フォーム】からお申込み下さい。

※参加費は、銀行振込(三井住友銀行備後町支店 普通預金No.1329441 一般社団法人近畿化学協会)、郵便振替(00930-5-64179 一般社団法人近畿化学協会)のいずれかでお願いします。
(振込手数料は参加者でご負担願います。)
*参加登録者にはE-mailにて聴講方法と講演要旨についてご案内します。(12月下旬頃)
*お申込後のキャンセルは 1月5日(水)までにお願い致します。期日までにご連絡がない場合は、参加費を頂戴致します。

注意事項 ※オンライン配信ツールは「Zoom」を利用します。
※パソコン・タブレット等、聴講(受信)に必要な機材や設備は各自でご準備ください。
※オンラインにより配信される講演内容の著作権は発表者に帰属します。講演の録画・録音は固く禁止します。許可なく資料を録画・録音して第三者への譲渡、無断でSNS等に公開すること、2名以上で同時に視聴することはご遠慮下さい。これらの行為を発見した時は、接続を強制的に切断させていただくことがあります。
申込・問合先 一般社団法人 近畿化学協会 「近化電池セミナー」 係

〒550-0004 大阪市西区靭本町1-8-4 大阪科学技術センター6階

TEL.06-6441-5531/FAX.06-6443-6685/E-mail:seminar(atmark)kinka.or.jp