近畿化学協会

ものづくりプロセス基礎講習シリーズ

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第2回ものづくりプロセス基礎講習シリーズ
「バイオ技術者のための実践基礎講習(オンライン)」

PDF版プログラム

主催 近畿化学協会
協賛 大阪科学技術センター、大阪工研協会、日本生物工学会
日本化学会近畿支部、日本技術士会生物工学部会
化学工学会関西支部、同 バイオ部会

 ものづくりは化学産業の根幹です。近年、社会のニーズにともない、その技術は高度化・多様化し、若い技術者も様々な新しい知識や技能の習得が必要とされています。そこで近畿化学協会では、リカレント教育の意味も含め、広い意味での化学産業を支える「ものづくりプロセス基礎講習シリーズ」を開催しております。第2回目は「バイオ技術者のための実践基礎講習」を企画しました。生物の能力を積極的に利用するものづくりの発展は目覚ましく、医薬品、食品、素材、エネルギー等の分野で関連するバイオ技術は極めて重要な役割を果たしています。そこでこれから活躍が期待されているバイオ技術者の基礎力、応用力そして開発能力をさらに高めるために、本講習会では「微生物・酵素のものづくり」および「医薬・細胞のものづくり」の2大テーマに基づいて以下の2日間のプログラムを提供します。細胞培養、発酵、精製等の基本技術からプロセス構築の考え方、細胞、微生物、酵素の活用方法、医薬品や化学素材の合成など、各目的に沿ったバイオ技術について広範囲でありながらしっかりと基礎を学べる内容を、第一線でご活躍中の講師の皆様に解説していただきます。奮ってご参加下さい。

日時 (1日目) 2022年10月27日(木)13:00~17:30
(2日目) 2022年11月 1日(火)13:00 ~ 17:15
開催手段 WEB配信(Zoomによるオンライン配信)
プログラム

1日目:(テーマ1)微生物・酵素のものづくり【10月27日(木)(13:00~17:30)
1.微生物による生産プロセス導入のススメ (13:00~14:00) 
  関西大学化学生命工学部 教授 片倉 啓雄 氏
 微生物によって様々な有用物質が生産できる。微生物による生産プロセスにおいては、微生物を速やかに増殖させ、生産速度が高い状態を長く維持する必要がある。また、原料の調達から廃棄物処理までをトータルで考える必要がある。本講演では、これらに関する実践的な考え方と、効率的な培養の鍵となる流加培養技術について解説する。

2.生体触媒(酵素・微生物)の産業的利用 (14:05~15:05) 
  大阪公立大学大学院工学研究科 教授 荻野 博康 氏
 生体触媒(酵素や微生物)を産業用触媒として用いるためには、活性や耐久性が高いことが求められる。生体触媒として酵素や微生物を用いる際の特徴、生体触媒の利用に関する基礎的な知識、活性や耐久性の高い酵素の取得方法になどについて解説する。また、有機溶媒存在下でも高い活性と耐久性を有する酵素とその利用について紹介する。

3.種々の発酵製品と生産技術開発 (15:10~16:00) 
  株式会社カネカ R&B本部 R&B戦略室 神田 彰久 氏
 微生物を利用した醗酵製品は食品から医薬品、化学品まで多岐にわたり、当社においてもさまざまな製品を生産している。これら微生物によるものづくりプロセスの開発には多くの課題があるが、本講習では、それらの培養スケールアップ、分離技術におけるポイントや、今後の技術への期待について述べる。

4.化学工学的アプローチによるバイオものづくりの実践 (16:05~16:45)
  花王株式会社 技術開発センター 浦川 大樹 氏
 バイオものづくりの実践に至っては最適なプロセス設計が重要であり、化学工学的アプローチは有用な手段となる。本講習会では、酵素生産・酵素利用におけるプロセス設計に必要な物質収支や各プロセスの最適設計に役立つ化学工学モデル、スケールアップといった事例を紹介する。

5.三菱ケミカルのバイオものづくり (16:50~17:30)
  三菱ケミカル株式会社 鶴見研究所 MMA研究室 渡辺 文昭 氏
 1985年に当社が世界に先駆けて工業化したバイオ法アクリルアマイドは、常温・常圧・ 収率ほぼ100%という環境調和型プロセスで、現在では世界全体の9割のアクリルアマイドがバイオ法で製造されている。本講習会ではバイオ法アクリルアマイドの技術を中心に、三菱ケミカルで取り組んでいるバイオ技術を活用したものづくりについても紹介する。

2日目:(テーマ2)医薬・細胞のものづくり【11月1日(火)(13:00~17:15)
1.(基調講演)動物細胞を用いたバイオ医薬生産の基礎から応用まで (13:00~14:00)
  大阪大学大学院工学研究科 教授 大政 健史 氏
 現在、世界トップ10医薬品のうち、7割をしめる抗体医薬生産は、動物細胞を用いて生産されており、製薬産業の成長エンジンとしての役割を果たしている。本講演では動物細胞を用いたバイオ医薬生産について、特に抗体医薬生産を具体例として、その原理、特徴ならびに、今後の展開についての基礎から応用までを解説する。

2.生きた細胞を製品とするための細胞製造性を考慮した製造設計の考え方 (14:05~15:05)
  大阪大学大学院工学研究科 講師 水谷  学 氏
 生きた細胞を製品とする製造では、最終製品の品質解析が困難である。使用する原料には、製薬のように、培養に適した細胞が選択できない。そこで製造の工程設計では、細胞の製造性を考慮し、開発の早い段階で工程のデザインスペースを決定する必要がある。本講ではこれらの考え方を概説する。

3.抗体・幹細胞製造におけるデジタル設計支援に向けたプロセスシステム工学
       (15:10~16:10)
  東京大学 大学院工学系研究科 教授 杉山 弘和 氏
 低分子から抗体、幹細胞へとモダリティが展開する中で、製造プロセスの設計では、効率化や迅速化、Quality by Designの実践、SDGsへの貢献も念頭に置いた、デジタル化が求められている。本講演では、講演者の直近の研究成果に触れつつ、デジタル設計の支援に向けたプロセスシステム工学のアプローチを紹介する。

4.動物細胞培養によるものづくり (16:15~17:15)
  次世代バイオ医薬品製造技術研究組合 専務理事 村上  聖 氏
 動物細胞培養による医薬品生産は、細胞へのダメージを抑制しながら栄養素や代謝物の物質移動の最適化を中心課題として長年技術開発が進められてきた。品質・生産性をさらに向上させるためには、高密度高機能細胞の培養条件の充足や、培養工程における生産物変性・不純物発生の抑制が必要であり、これらに対応した培養技術について紹介する。 

定 員 80名<各回>(定員になり次第締切)
参加費 主催・協賛団体会員 1日のみ 13,000 円、2日通し 23,000円
大学・官公庁職員 1日のみ 5,000 円、2日通し 9,000円
学生 1日のみ 3,000 円、2日通し 5,000円
会員外 1日のみ 20,000 円、2日通し 37,000円
(いずれもテキスト代・消費税含む)
申込方法 Web参加申込フォーム】からお申込み下さい。

※どちらか1日(1テーマ)だけの参加も可能です。1日のみ参加の方は、受講日を明記下さい。
※参加費は、銀行振込(三井住友銀行備後町支店 普通預金No.1329441 一般社団法人近畿化学協会)、郵便振替(00930-5-64179 一般社団法人近畿化学協会)のいずれかでお願いします。(振込手数料は参加者でご負担願います。)
*参加登録者にはE-mailにてWEB配信の聴講方法をご連絡します。(10月中旬頃)
*テキストは、当日までに送付させていただきます。(10月中旬頃)
*お申込後のキャンセルは 10月14日(金)までにお願い致します。期日までにご連絡がない場合は、参加費を頂戴致します。

注意事項 ※オンライン配信ツールは「Zoom PRO」を利用します。
※パソコン・タブレット等、聴講(受信)に必要な機材や設備は各自でご準備ください。
※オンラインにより配信される講演内容の著作権は発表者に帰属します。講演の録画・録音は固く禁止します。許可なく資料を録画・録音して第三者への譲渡、無断でSNS等に公開すること、2名以上で同時に視聴することはご遠慮下さい。これらの行為を発見した時は、接続を強制的に切断させていただくことがあります。
申込・問合先 一般社団法人 近畿化学協会 「ものづくりプロセス基礎講習シリーズ」 係

〒550-0004 大阪市西区靭本町1-8-4 大阪科学技術センター6階

TEL.06-6441-5531/FAX.06-6443-6685/E-mail:seminar(atmark)kinka.or.jp