近畿化学協会

近化電池セミナー

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近化電池セミナー「アドバンストLIBを理解するための材料電気化学-その基礎と応用-」

PDF版プログラム

主催 近畿化学協会
協賛  大阪科学技術センター、大阪工研協会、応用物理学会関西支部
化学工学会関西支部、電気化学会関西支部、電気化学会電池技術委員会
炭素材料学会、日本エネルギー学会関西支部、日本機械学会関西支部

 全世界がCOVID-19のパンデミックに見舞われた2020年は人々の生活のみならず、サイエンスに対する考え方の変革を逼るものとなりました。従来のSDGsの概念に位置付けられた脱炭素化を目指す動きは政府目標として2050年にCO2排出ゼロを表明するに至り、再生可能エネルギーの開発を進める上でも、蓄電デバイスの研究開発に対するさらなる積極的な取り組みが急務となっています。このような中、重要な役割を担うリチウムイオン電池の今後の開発に対する指針を見直す契機にもなっています。今回の電池セミナーは、様々な視点から電池材料の研究に取り組まれている先生方の研究内容を紹介していただくことになりました。日々取り組まれている研究の魅力を紹介していただくことで、新たな価値観の下におけるLIB開発のヒントを得ていただければと考えています。残念ながら対面による開催は困難であり、オンライン配信による講演となりましたが、皆様の積極的な御参加を是非ともよろしくお願い申し上げます。

日時 2021年 1月13日(水)9:20 ~ 16:40
開催手段 WEB配信(Zoomによるオンライン配信)
プログラム

【講演①】岩塩型リチウム過剰高容量正極材料研究の新展開 (9:20-10:00)
     横浜国立大学工学研究院 教授 藪 内 直 明 氏
 現在、リチウムイオン蓄電池用の次世代の正極材料として、岩塩型のリチウム過剰系高容量正極材料研究が世界中で活発に行われている。講演では、これらの高容量正極材料の最新の研究成果について紹介する。

【講演②】酸化物負極の構造と電極特性 (10:10~10:50)
     大阪市立大学大学院工学研究科 准教授 有 吉 欽 吾 氏
 酸化物負極は現行の炭素系負極材料と比較して作動電位が高いために、電池のエネルギー密度が低くなってしまうものの、長寿命でかつ高入出力なリチウムイオン電池となりうる可能性を秘めている。本講演では、リチウム・チタン酸化物を中心に遷移金属酸化物を用いた負極材料について、その結晶構造および電気化学反応機構について紹介する。さらに、これら酸化物負極を用いたリチウムイオン電池の特徴についても概説する。
 
【講演③】リチウムイオン電池用ケイ素系負極の創製とキャラクタリゼーション (11:00~11:40)
     鳥取大学大学院工学研究科 教授 坂 口 裕 樹 氏        
 ケイ素(Si)は、その高容量の魅力からリチウム二次電池の負極材料として本格的な研究開発が進められつつある。しかしながら、依然として解決すべきいくつかの難点を有している。これに対して、演者らはSiの欠点を補う性質を持つ種々の金属や化合物をSiと複合化させた活物質を提案してきた。本講演では、それらの活物質を用いて作製された高容量と長寿命を兼ね備えた負極の性能について講述する。また、ケイ素系負極のキャラクタリゼーションに特化した種々の分析法についても紹介する。

【講演④】黒鉛系負極とSEI (12:40~13:20)
     京都大学大学院工学研究科 教授 安部 武志 氏
 黒鉛負極はリチウムイオン電池の負極材料として、長年使われている。これまでに多くの研究があるが、いまだに未解明な点も多い。そこで、本講演では黒鉛負極とSEIについて概説した後、黒鉛の反応サイトに関する最近の研究成果について紹介する。

【講演⑤】固液界面近傍におけるイオン伝導 (13:30~14:10)
     神戸大学大学院工学研究科 教授 水 畑   穣 氏
 電池内部の電解質は高密度に充填された固体材料の間隙に含浸された状態にある。電極やセパレータに含浸された電解質中におけるイオン伝導は界面における物質分布や異相との相互作用による影響を大きく受け、電解質溶液本来の移動とは異なる挙動を示す。イオン伝導の変化は電気伝導率や輸率によって示されるが、その要因となる溶存種の構造や挙動を示す分光・動的挙動・界面電位との相関について、その考え方を紹介する。

【講演⑥】次世代電解液材料の考え方 (14:20~15:00)
     東京大学大学院工学系研究科 准教授 山 田 裕 貴 氏
 リチウムイオン電池の高性能化・高安全化や次世代二次電池の開発に向けて、既存のLiPF6/EC系に代わる次世代電解液開発の重要性が高まっている。本講演では、次世代電解液材料の考え方として、(1)イオン・溶媒分子の配位状態に着目した機能開拓、(2)ECに代わる高機能主溶媒の設計について紹介する。

【講演⑦】全固体リチウムイオン電池に向けた結晶系固体電解質材料の開発 (15:10~15:50)
     東京工業大学物質理工学院 教授 平 山 雅 章 氏
 
全固体リチウムイオン電池は、高イオン導電性固体電解質の材料開拓が進展することで、実用化研究が加速している。本講演では、結晶系硫化物固体電解質について、結晶構造に基づく材料開発の考え方と研究成果を説明したのち、未解決課題解決に向けた新しい研究アプローチについて紹介する。

【講演⑧】全固体電池への応用にむけたアモルファス系固体電解質の開発
(16:00~16:40)
     大阪府立大学大学院工学研究科 教授 林   晃 敏 氏
 
無機材料から構成される全固体電池は、安全性と高エネルギー密度を兼ね備えた次世代蓄電池として、その実現が切望されている。アモルファス系固体電解質は、高いイオン伝導性と優れた界面接合性を併せ持つため、全固体電池に適した電池材料として期待されている。本講演では、アモルファスをベースとする硫化物および酸化物電解質の特徴と開発経緯について述べ、それらを用いた全固体電池の構築について紹介する。

定 員 80名(定員に達し次第締切)
参加費 主催団体会員 18,000円、協賛団体会員 23,000円、会員外 28,000円
大学・官公庁職員 7,000円、学生 5,000円 (テキスト<電子ファイル>・消費税含む)
申込方法 Web参加申込フォーム】からお申込み下さい。

※参加費は、銀行振込(三井住友銀行備後町支店 普通預金No.1329441 一般社団法人近畿化学協会)、郵便振替(00930-5-64179 一般社団法人近畿化学協会)のいずれかでお願いします。
(振込手数料は参加者でご負担願います。)
*参加登録者にはE-mailにてWEB配信の聴講方法と講演要旨を送付します。(12月下旬頃)
*お申込後のキャンセルは 1月6日(水)までにお願い致します。期日までにご連絡がない場合は、参加費を頂戴致します。

注意事項 ※オンライン配信ツールは「Zoom PRO」を利用します。
※パソコン・タブレット等、聴講(受信)に必要な機材や設備は各自でご準備ください。
※オンラインにより配信される講演内容の著作権は発表者に帰属します。講演の録画・録音は固く禁止します。許可なく資料を録画・録音して第三者への譲渡、無断でSNS等に公開すること、2名以上で同時に視聴することはご遠慮下さい。これらの行為を発見した時は、接続を強制的に切断させていただくことがあります。
申込・問合先 一般社団法人 近畿化学協会 「近化電池セミナー」 係

〒550-0004 大阪市西区靭本町1-8-4 大阪科学技術センター6階

TEL.06-6441-5531/FAX.06-6443-6685/E-mail:seminar(atmark)kinka.or.jp