国際有機化学京都会議
The International Kyoto Conference on New Aspects of Organic Chemistry
(IKCOC)
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科学技術創造立国の重要性が喧伝されている今日、科学の新展開や先端技術を支える基盤として、有機化学が果たすべき役割はかつてないほど重要性を増している。 機能材料や医農薬などの分野における目覚ましい進歩に応じて、基礎理論、方法論、および新規化合物の分子設計を積極的に展開し、有機化学者が社会の要請に答えるためには、単に有機化学分野のみではなく生物化学、医薬化学、天然物化学、精密化学ならびに材料化学等広範な分野の最先端の情報を常に把握することが不可欠である。従って、これら周辺分野を含めて、内外の研究者が積極的に研究成果の交換、討議を行うことが強く求められている。
従来よりこの分野における日本の化学者は、独創性の高い成果を数多く挙げ、常に先導的役割を果たしてきた。ところが、日本は東アジアに位置しているため、地理的な理由から広く世界の第一線研究者と緊密に接触し討論する機会が、必ずしも十分とは言い難かった。このような背景のもと、日本において有機化学及び関連分野に関する最重要課題の下に世界的な化学者や化学技術者を一堂に集め、実りある討議を通して斯界の発展に貢献することを目的とし、1979年に近畿化学協会創立60周年を記念して本国際会議が開催され、以後3年毎に継続的に京都で開催されている。
第1回から第14回までの本国際会議の主題及び参加者数は次のとおりである。
また、第15回は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、開催を約2年延期し、2023年11月20日(月)~23日(木)の4日間、吉田善一議長、杉野目道紀組織委員長により開催される。
第15回(2023) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] |
2023年 11月20日(月)~23日(木) 於:リーガロイヤルホテル京都 |
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第1回(1979) | 新合成法と生物活性物質 [New Synthetic Methodology and Biologically Active Substances] | 参加者185名 |
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第2回(1982) | 生体機能の化学 [Biomimetic Chemistry] | 参加者371名 |
第3回(1985) | 新合成法と機能的に興味のある化合物 [Synthetic Methodology and Functionally Interesting Compounds] | 参加者472名 |
第4回(1988) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者602名 |
第5回(1991) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者750名 |
第6回(1994) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者715名 |
第7回(1997) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者898名 |
第8回(2000) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者779名 |
第9回(2003) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者866名 |
第10回(2006) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者957名 |
第11回(2009) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者1,113名 |
第12回(2012) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者1,041名 |
第13回(2015) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者923名 |
第14回(2018) | 有機化学の新展開 [Advances in Organic Chemistry] | 参加者1,032名 |
これまでの本会議には、学界のみならず産業界からも強い関心が寄せられ、我が国における新しい試みとして大成功を収めてきた。そこから生まれた多くの成果は着実に日本の化学研究者や技術者の間に根を張りつつあり、近畿化学協会の果たしてきたこのような指導的役割に対し、国内に限らず国際的にも高い評価が寄せられている。今や、日本の古都京都の地に限定して定期的に開催するという、我が国では例を見ない型式の国際会議として定着し、世界的な権威ある会議として広く認知されるに至っている。
さらに、2009年に第11回の本会議が開催されたのを機に、有機化学の進歩に特に顕著な功績のあった化学者を表彰するためにIKCOC賞(IKCOC Prize)が創設され、第1回受賞者にGeorge M. Whitesides教授(米国・ハーバード大学)、第2回受賞者にManfred T. Reetz教授(ドイツ・マックスプランク研究所)、第3回受賞者にDieter Seebach教授(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)、第4回受賞者にKlaus Müllen教授(ドイツ・マックスプランク高分子研究所)が選ばれている。
主題の説明
従来、化学構造と機能や活性との相関関係を究明するための新規化合物の設計が有機合成分野の主眼とされていた。しかし、機能材料および新規生理活性化合物の開発においては、有機合成化学が近年特に重要視されている。独自の化合物をもたなければ、これらの分野における企業活動が不可能になってきたからである。したがって、これらの高機能性化合物の効率的な合成法の確立と、それらを念頭に置いた新規化合物の発掘および機能の創造、さらには生物活性の機能解明と生物活性物質の創製と有効活用が鍵になる。これらの問題点を解決することこそが、学界や産業界に計り知れない大きなインパクトを与えると考えられる。
第1回から14回までの議長、組織委員長、日程、会場
議長 | 組織委員長 | 開催日程 | 会場 | ||
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第1回 | IKCOC-1 | 吉田 善一 | 1979/12/4-7 | 京都ホテル | |
第2回 | IKCOC-2 | 吉田 善一 | 1982/8/17-20 | 京都ホテル | |
第3回 | IKCOC-3 | 吉田 善一 | 1985/11/18-22 | 京都ホテル | |
第4回 | IKCOC-4 | 吉田 善一 | 芝 哲夫 | 1988/11/14-18 | 京都ホテル |
第5回 | IKCOC-5 | 吉田 善一 | 大城 芳樹 | 1991/11/11-15 | 京都パークホテル |
第6回 | IKCOC-6 | 吉田 善一 | 伊藤 嘉彦 | 1994/11/7-11 | 京都パークホテル |
第7回 | IKCOC-7 | 吉田 善一 | 村井 眞二 | 1997/11/10-14 | 京都パークホテル |
第8回 | IKCOC-8 | 吉田 善一 | 玉尾 皓平 | 2000/7/11-15 | 京都パークホテル |
第9回 | IKCOC-9 | 吉田 善一 | 楠本 正一 | 2003/11/10-14 | 京都パークホテル |
第10回 | IKCOC-10 | 吉田 善一 | 檜山爲次郎 | 2006/11/13-17 | リーガロイヤルホテル京都 |
第11回 | IKCOC-11 | 吉田 善一 | 吉田 潤一、 馬場 章夫* | 2009/11/9-13 | リーガロイヤルホテル京都 |
第12回 | IKCOC-12 | 吉田 善一 | 茶谷 直人 | 2012/11/12-16 | リーガロイヤルホテル京都 |
第13回 | IKCOC-13 | 吉田 善一 | 村上 正浩 | 2015/11/9-13 | リーガロイヤルホテル京都 |
第14回 | IKCOC-14 | 吉田 善一 | 深瀬 浩一 | 2018/11/12-16 | リーガロイヤルホテル京都 |