フロー・マイクロ合成研究会 in 福井(第57回研究会)

*本研究会へのご参加は会員のみとさせていただきます。

日 時  平成25年2月8(金)13:30〜9日(土)11:00
会 場  かんぽの宿 福井 2階研修室 <現地集合・解散>
      (福井市渕町43-17 TEL:0776-36-5793 http://www.kanponoyado.japanpost.jp/yado/fukui/
[交通]
・JR北陸本線「福井駅」よりタクシーにて約1700円<推奨>
・JR北陸本線「福井駅」より、京福バス8番のりば74系統「清水グリーンライン」、または76系統「西田中・宿堂線」行きにて「おさごえ民家園」下車(何れも1時間に1本程度、乗車時間約40分)、徒歩約20分(0.8km)


─プログラム─ <pdf版
【2月8日(金)】

1. 開会挨拶(13:30〜13:40)  
  京都大学工学研究科 教授/研究会代表幹事 吉田 潤一
   
2. 講演
  (1)フローマイクロリアクターを用いた有機金属反応、高分子合成反応(13:40〜14:40)
京都大学工学研究科 助教 永木 愛一郎氏
  (2)フローマイクロリアクターを用いた均一系触媒反応、ラジカル反応、および気-液反応
  大阪府立大学理学系研究科 准教授 福山 高英氏 
  (3)フローマイクロリアクターを用いたビタミンD3類、ペプチドの効率合成(16:00〜17:00) 
  東京工業大学理工学研究科 助教 布施 新一郎氏 
   
3. 懇親会(17:15〜19:15) 

【2月9日(土)】

4. 自由討論(9:00〜11:00)
フローマイクロ合成に関する意見交換


申込締切:1月31日(木) 但し、宿泊は30名になり次第締め切ります。
参 加 費 :15,000円(宿泊費(食事付)、懇親会費含む)
       講演会まで参加:無料、懇親会まで参加:10,000円


                 =研究会終了 ご報告=


 立春を過ぎたとはいえ積雪が残るかんぽの宿 福井にて、平成25年2月8-9日の2日間に渡ってフロー・マイクロ合成研究会が開催された。今回は、若手メンバーによるフロー合成に関する文献紹介(初日)および情報交換会(2日目)というスタイルで開催した。研究会のアナウンスから開催までの期間がやや短かったこともあり、どの程度の人数が集まるのか心配したが、実際には大学・公的研究所関係者だけでなく企業からも多くの参加をいただき、30名を超える参加者のお陰で研究会は熱気に包まれた。【写真1】

 初日の講演会では、永木 愛一郎先生(京大院工)がトップバッターを務められ、「フローマイクロリアクターを用いた有機金属反応、高分子合成反応」を中心に文献紹介された。反応時間を精密に制御することで、バッチ反応では不可能な化学選択性や立体制御を達成した例を示された。【写真2】
 続いて、福山 高英先生(阪府大院理)による「フローマイクロリアクターを用いた均一系触媒反応、ラジカル反応、および気-液反応」に関する抄録が紹介された。イオン液体を利用した遷移金属触媒の回収・再利用を始め、気液反応が効果的に進行する点など、フローマイクロリアクターを用いた有機合成の有用性・実用性をアピールしていただいた。【写真3】
 最後は、布施 新一郎先生(東工大院理)に「フローマイクロリアクターを用いたビタミンD3類、ペプチドの効率合成」と題し、光反応を中心にお話いただいた。骨粗鬆症の治療薬として知られるビタミンD誘導体をターゲットに、光反応とフロー合成とを組み合わせる合成戦略の説明から条件検討、従来法による光反応との比較まで、詳細に説明いただいた。【写真4】

 フロー・マイクロ合成研究会はその前身であるロボット合成研究会発足当時、「質問があれば、講演の途中でブレークを入れて質問してもよい」とのディスカッション重視のスタイルでスタートしたが、今回の研究会では再びこの原点回帰ともいうべき「ブレーク質問&ディスカッション」を取り入れた。そのため、通常の研究会よりも更に白熱した討論が何度も展開され、予定時間を大幅に過ぎて初日の文献紹介を終了した。
 その後、懇親会へ移動し、「ずわいがに」と「せいこがに」を堪能しながらフローマイクロ合成について熱い熱いディスカッションが続いた。さらに、懇親会の後は、場所を若手講演者の部屋に移して深夜まで、討論が続けられた。

 2日目は、ホテルのロビーにて朝食をとり、引き続きフリーディスカションを行った。企業からの参加者はフロー・マイクロリアクターを用いた合成プロセス実用化について、若手研究者はフロー・マイクロリアクターの可能性について、幹事役員はフロー・マイクロリアクターの今後の展開について意見交換を行い、話題は尽きぬまま昼前に閉会した。これまでのフロー・マイクロ合成を振返り総括するとともに、今後の展開・展望について産学で屈託ない意見を交換するこの上なく白熱した有意義な研究会であった。

       
 【写真1】研究会風景    【写真2】永木 愛一郎氏
(京大院工)
 
       
【写真3】福山 高英氏
(府立大院理)
  【写真4】布施 新一郎氏
(東工大院理)
 

─申込・問合先─

一般社団法人 近畿化学協会合成部会 フロー・マイクロ合成研究会
          〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センター6F
           Tel. 06-6441-5531 Fax. 06-6443-6685 E-mail:ikehiro(atmark)kinka.or.jp