日時 平成11年11月26日(金)13:00−18:00
会場 化学会館(千代田区神田駿河台1-5)
交通 JR「お茶の水」駅下車徒歩5分
実験室で頻繁に用いられる合成反応の自動化を目的とした装置を開発した.すなわち,不活性ガス雰囲気下,自動的,連続的かつ正確に反応剤を仕込み,マイナス70度までの低温での反応が可能となった.その結果,グリニヤール,有機リチウム反応剤,遷移金属触媒を用いる反応が問題なく行えることが判明した.
2.「自動合成開発プロジェクトの中間報告」
銅金 巌 氏(住友化学)
自動合成は,省力化,効率化,精密化,安全という面だけでなく,有機合成の新手法としても期待され,その社会的ニーズが極めて高くなっている.そうした中にあって,実物の自動装置を用いて自動合成の開発を進めることが必要かつ不可欠であることが再認識され,近畿化学協会に「自動合成開発プロジェクト」が設置されスタートした.その間の経緯と1年を経たプロジェクトの現状について中間報告を行った.
3.「最近の文献から探る自動合成の現状と可能性」
清水 正一 氏(日大生産工)
自動合成とその周辺分野における最近の文献からその現状を概観した.その中から幾つかのトピックスを選んで具体的に紹介した. 特に,液相自動合成に適した有機反応,反応手法および新しい反応溶媒などに焦点を当て,その可能性についても考察した.
4.「化学情報検索の最前線−SciFinder」
原 修 氏(化学情報協会)
PC とインターネットの普及を背景に,CAS が提供する世界の化学情報を研究者自身が簡単に入手できることを目指して開発され,近年急速に普及し始めた SciFinder を紹介した.
5.「科学論文の引用によるナビゲーションの効用」
棚橋 佳子 氏(ISI)
Web技術のナビゲーション機能の活用により,引用文献検索の効用が注目されている.引用文献データベースWeb of Scienceと反応データベースChemistry Serverにより得られるユニークな検索の特徴とその有効性についてデータ構成と検索結果例を紹介し,海外と日本との情報格差の現状を考察した.